厚沢部文化遺産調査プロジェクト

北海道厚沢部町の文化遺産や歴史、自然について紹介します。

鶉川ゴヨウマツ自生北限地帯でゴヨウマツを確認する

2022年3月27日の踏査

前回の3月12日の踏査では、ゴヨウマツらしき針葉樹が低い尾根に存在することを確認しましたが、尾根を降りて接近すること無く引き返してきました。 今回は、尾根を下り、遠くに見えていた針葉樹に接近してみました。

指定範囲の手前の尾根を降りる

今回降りた尾根は、指定範囲のかなり手前の尾根です。赤いラインが前回の踏査ルート、青いラインが今回のルートです

踏査ルート(青いライン)

尾根のはるか下に丈の低い針葉樹が見えます。今回の目標はここです。

遠くに見える針葉樹

尾根を降りるのは勇気がいります。降りと登りでは難易度が異なるので、降れたところを登り返せるとは限りません。残雪期の雪はアイゼンも効きにくく、急斜面ではジタバタとあがくだけということにも成りかねません。

尾根を降りる

針葉樹

尾根をかなり下ったところで、丈の低い針葉樹が見えました。

低い尾根の針葉樹

近づいてみると・・・トドマツでした・・・

トドマツ

さらに進むと、トドマツとは異なる樹形の針葉樹が見えます。

残念ながら、イチイのようです。

イチイ

まとめ

今回の踏査では、前回の踏査で発見した低い尾根の針葉樹にアプローチしてみましたが、いずれもゴヨウマツではありませんでした。 今回の踏査ルートは指定範囲から外れています。次回はおそらく来年になると思いますが、指定範囲の尾根を降りてみたいと思います。

2022年3月12日の踏査

厚沢部町鶉川上流の鶉川ゴヨウマツ自生北限地帯は国の天然記念物です。林道から見上げると尾根にマツが点在しています。

林道から見上げる鶉川のゴヨウマツ

以前「鶉川のゴヨウマツはどこにあるのか?」という記事で尾根上からはゴヨウマツが確認できなかったことを書きました。今回は「ゴヨウマツは尾根の上」ではなくて、もっと低い位置にあるのではないかと考え、尾根を降りてみることにしました。

今回の踏査ルートはこんな感じです。国道227号から尾根にとりつき、北限地帯指定エリアに入ったところで、尾根を下ってみました。

踏査ルート(背景地図は国土基本情報基本項目とOpenStreetMap

腐った雪の上を行く

尾根の取り付きはザクザクに腐った雪です。傾斜はさほど急ではないもののカンジキが雪にとられて歩きにくかったです。

尾根に上がる

標高を上げて稜線に出ると気温が低いため、雪も固くしまって歩きやすくなりました。雪庇を踏み抜かないように注意して歩きます。

稜線を行く

稜線を起点として雪崩が発生していました。

さらに高い尾根の上は平坦で、スノーモービルの痕があります。

ゴヨウマツを発見

尾根を少し下ると東側の険しい尾根にゴヨウマツが見えました。尾根の上からは見えない位置です。

鶉川のゴヨウマツ

撮影位置は下の地図の地点で、ここから東方向を撮影しています。

さらにもう一つの枝尾根を降りるとその先にもゴヨウマツが見えました。

撮影位置は下の地図の地点でここから、北東方向を撮影しています。

ゴヨウマツの自生位置

ゴヨウマツは天然記念物指定範囲の中でも鶉川に沿った険しい尾根上に位置しているようです。残念ながら私の登山技術ではゴヨウマツの生育地点まで到達することは難しそうです。 今回確認したゴヨウマツの生育地点はおよそ次の位置になりそうです。

ゴヨウマツ生育地

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